アメリカネナシカズラ

アメリカネナシカズラ(ヒルガオ科)[亜米利加根無葛]

名はネナシカズラに似てアメリカ原産であることによる。
北アメリカ原産の1年生の帰化植物で、1973年に多摩川で初めて見い出され、その後全国に広がった完全寄生植物。輸入した穀物か砂防用の植物の種子に混じって渡来したと考えられ、海岸や河原、湖岸に多いが、道端や畑にも発生して作物に被害を与えている。生態系被害防止外来種リスト掲載種。
この草が繁茂すると、一面ラーメンをぶちまけたような景観となり、踏み込むと足が取られて容易に前に進めなくなる。
初めは地上に生え、寄主に巻きつくと根はなくなり、葉もなく、節に黄褐色の小さい鱗片があるのみ。噂にはならないがまさに「根も葉もない」状態となる。葉緑体をもたないので完全寄生する。茎はつる性で淡黄色~淡黄赤色の「ひも」状で無毛、他の草に左巻きに絡みつき、こぶ状の寄生根を差し込んで養分を奪って成長する。成長してさらに栄養のある次の植物に巻きつくと古いつるは枯れて新しいつるを伸ばす。次々と相手を替えて食わせてもらって生活している人間を「ひも」というが、ここに由来するかと思うほどえげつない。
夏から秋にかけて鱗片の腋に短い集散花序を出し、直径3mmの白色の花を頭状につける。萼は半球形で5浅裂し、裂片は卵円形。花冠は広鐘形で先は5裂し、裂片は卵形で鋭頭、平開ときに反曲する。花筒内面基部に楕円形の鱗片が5個あり、縁に毛状突起がある。花柱は長さ約1.8mmで2個あり、柱頭は短く頭状に膨らむ。5個の雄しべは花筒に付着して花冠から突き出る。
果実は直径2-3mmの球形の蒴果で下半部は萼筒に包まれ、不規則に果皮が破れて種子を散らす。種子は黒褐色~橙色、長さ約1.5mmのゆがんだ楕円形で翌春に発芽する。
似たものにネナシカズラ、マメダオシ、ハマネナシカズラ、クシロネナシカズラがある。ネナシカズラは、茎が太く花序は穂状につき、花柱は1個で雄しべは花冠より短い。そのほかは花柱が2個のグループで、クシロネナシカズラは柱頭が長楕円形。マメダオシは環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠA類の希少種なので間違えようにも見ることすら難しいが、雄しべが花冠から突き出ず、果実は花冠より短く、初めから裸出している。花柱は長さ約1mmで柱頭は糸状で膨らまない。中部地方以西に生えるハマネナシカズラは果実は扁球形で花冠より短く、初め花冠に包まれており、成熟してくると花冠を突き破って裸出する。
花期:6-10月
分布:帰化植物
撮影:2004.8.7 宮城県川崎町
アメリカネナシカズラの花
5個の雄しべは花冠から突き出る。画像中央左側に寄生根が見えている。
2004.8.7 宮城県川崎町

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