フジバカマ

フジバカマ(キク科)[藤袴]

名は、一つの筒状花冠が藤色の袴に見えるからという。古名は蘭(あららぎ)。
中国原産で奈良時代に渡来したものといわれてきたが、最近はもともと日本に自生していたと考えられている。河川の護岸工事により自生地が激減し、環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)に指定されている。秋の七草の一つであることから観賞用に公園などでしばしば植栽され、それが逸出している。
河川下流域の肥沃な草地や土手に生える多年草で、茎は直立して高さ1-1.5mになる。根茎は長く横にはう。茎の下部は無毛。
葉は短い柄があって対生し、ふつう3深裂して頂片は長さ8-13cm、幅3-4.5cmの長楕円形~長楕円状披針形。両面とも腺点はなく、表面は濃緑色で光沢があり、縁に鋭い鋸歯がある。上部の葉は裂けないことも多い。
枝先に白色~淡紅紫色の頭花を散房状に多数つける。頭花は5個の両性の筒状花からなり、2裂した柱頭が花外に伸びていて目立つ。総苞は長さ7-8mm、総苞片は約10個が2-3列に並び円頭。
痩果は長さ約3mm。冠毛は白色で長さ約6mm。
生乾きのものはクマリンの香気(桜餅の葉の香り)があり、中国では古くから香草として栽培され、身につけたり浴湯用に利用されてきた。開花期に茎葉を摘んで干したものを蘭草(らんそう)といい、利尿に効果があるという。
ヒヨドリバナは葉は3裂せず、裏面に腺点がある。フジバカマのような香気はほとんどない。北アメリカ原産の帰化植物マルバフジバカマは葉は卵形で長い柄があり、在来のヒヨドリバナ属と異なり、15-25個の筒状花からなる。
花期:8-9月
分布:本(関東地方以西)・四・九
撮影:2016.10.21 横浜市戸塚区(植栽)
フジバカマの葉
葉はふつう3深裂する。 2019.10.23 横浜市戸塚区

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