イボタノキ

イボタノキ(モクセイ科)[疣取木・疣堕木・水蝋樹]

名は、この木につくイボタロウ(後述)がイボを取るのに効果があるのでイボ取りの木といっていたものが転訛したもの。また、ミヤマイボタをアイヌ語でエポタニ(病魔を追い出すことを頼む木)といい、それがイボタに転じたとする説もある。
平地~低山の林縁や林内に普通に生え、細かく分枝してこんもりとした樹形となり、高さ2-4mになる落葉低木。暖地の林内の生えるものは一部が落葉せずに越冬するものがある。
樹皮は灰白色~灰褐色で円い皮目があり、ときに刺状の短枝が出る。若い枝には短毛が密生する。
葉は対生し、質は薄く光沢はない。縁は全縁、長さ2-7cm、幅0.7-2cmの長楕円形、基部はくさび形で、先は普通円いがややとがるものもある。表面は緑色で無毛、主脈のへこみが目立ち、裏面は淡緑色で脈上に毛があるが毛の多少は変異がある。葉柄は1-2mm。
本年枝の枝先に長さ2-4cmの総状花序を出し、長さ0.7-1cmの白色で芳香のある小花を密につける。花冠は筒状漏斗形で先が4裂し、裂片は長さ3mmで平開する。萼は低い4歯があり、普通短毛が生える。雄しべは2個で花糸は短く葯は長さ2-2.5mmの広披針形で花冠からわずかに突き出る。花柱は長さ3-4.5mm。
果実は液果状の核果で長さ6-7mm、直径5-6mmの広楕円状球形。秋~冬にかけて紫黒色に熟す。核は褐色で長さ6mmほど。
樹皮に寄生するイボタロウカタカイガラムシの分泌するろう状物質をイボタロウといい、かつては枝や幹についた白粉を削り取り、加熱して溶かし布でこして凝固させてイボタロウを作った。
イボタロウは薬用(生薬名は虫白蝋)として止血や強壮に用いた。また、家具や生糸のつや出し、刀剣の錆止め、ろうそくの材料、建具の滑りを良くすることにも用いた。
刈り込みに強いことから生け垣としても植栽される。材は緻密で硬いので印材、杖、楊枝などにする。
葉の形状や毛の多少は変異が多く、葉や萼が無毛の品種をセッツイボタ、葉の裏面全体に毛が多い品種はビロードイボタという。
オオバイボタは、葉は大きく円みがあって質が厚く光沢がある。
ミヤマイボタは深山や北地に生え、葉の先がとがり果実はやや大きくほぼ球形。
花期:5-6月
分布:北・本・四・九
撮影:2016.5.16 神奈川県逗子市
イイボタノキの花
雄しべ2個の葯が花冠からわずかに突き出る。
2016.5.13 横浜市戸塚区

イボタノキの果実
イボタノキの果実。 2016.11.16 横浜市戸塚区

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