イタドリ

イタドリ(タデ科)[虎杖]

名は、その薬効で痛みを取るので「痛み取り」説、表皮から糸状の繊維をとるので「糸取り」説がある。漢名の「虎杖」は茎に赤い虎斑模様があることからついたという。
青森県、岩手県東部ではイタドリのことを広くサシトリとよび、釣りに行ったときはサシトリの茎の中にいるサシトリ虫=イタドリ虫=蛾の幼虫を釣り餌として現地調達した思い出がある。
海外には初め観賞用に持ち出され、のちに飼料や砂丘地の安定などのために栽培されるようになり、今ではヨーロッパや北アメリカ、ニュージーランドなどに帰化している。イギリスの株は8倍体で大きく、雄花は不稔でもっばら栄養繁殖で殖えているという。
人里近くから山地まで、日当たりのよい裸地や土手などに生える雌雄異株の多年草。根茎は黄色で木化してよく横に伸び、ところどころに新苗を出して群落をつくる。茎は太くて中空、初め紅紫色の斑点があり、斜上または直立して上部で枝を分け、高さ0.3-1.5mになる。若芽は赤紫色を帯びる。
葉は長さ1-2cmの柄があって互生し、長さ6-15cm、幅4-10cmの広卵形~広卵状楕円形で全縁、基部は切形~浅い心形で先は急にとがる。両面脈上に微小突起があるほかは無毛、裏面は粉白を帯びず緑色。托葉鞘は膜質で長さ4-6mm、先は斜めに切れて縁毛はなく、早く落ちやすいので花時にはないことが多い。
葉腋や枝先から円錐状に集まった総状花序を出し、小さな花を多数つける。花被は長さ1.5-3mmで5深裂し、白色~淡紅色。花被の色は変異が多い。雄花には小さな雌しべと8個の雄しべがあり、花糸は細く花外に突き出る。雌花は花被がしばしば緑色を帯び、短い雄しべと3個の花柱があり、3個の外花被片が果時に大きくなって翼状に張り出して果実を包み、全形は倒卵形~倒卵円形で先はへこみ、基部は細まり、長さ0.6-1cm、幅6mmとなる。
果実は3稜形の痩果で長さ約2.5mm。黒褐色で光沢がある。
葉の展開する前の太くみずみずしいものは、酸味があって食用になる。スイバとともにスカンポとよばれて親しまれ、皮をむいて塩をつけて生食したり、お浸し、和え物に、また塩蔵保存する。ただしシュウ酸が多いので生のものを多食してはならない。戦時中から戦後の物資が不足していた時代には、この若葉がダイコンの葉とともにヤミタバコの増量材として用いられた。根茎を乾燥したものは虎杖根(こじょうこん)とよばれ、利尿、通経、緩下に用いる。江戸時代には甘草とともに煎じて鎮咳に用いた。染料としては銅媒染で茶色に染める。
茎や葉が多毛の変種をケイタドリといい、本州(日本海側と東北地方)に分布し、青森県ではこちらのほうが普通。花や果実が紅色のものはメイゲツソウという。ハチジョウイタドリは葉が大きいもので表面に光沢があり、八丈島に分布する。高山性の小型のものをオノエイタドリというが、YListではシノニム扱い。観賞用として葉に斑紋のあるニシキイタドリ、フイリイタドリなどの園芸品種が栽培されている。
オオイタドリは高さ1-3m、葉は長さ40cmにもなり、基部は心形で、裏面は粉白色を帯びる。
花期:7-10月
分布:北・本・四・九
撮影:2005.9.4 青森県八戸市

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