カキドオシ

カキドオシ(シソ科)[垣通し]

繁殖力が強く、垣根を通り越すほど伸びることがこの名がある。民間薬として子供の癇(かん)の虫を取るのに使ったことからカントリソウの別名がある。葉の形を銅銭に見立て、それがつるに対生して連なるので連銭草(レンセンソウ)ともよばれる。
春に日が当たり、夏には日陰となるような草地や林縁などに生える多年草で、珍しくもないものだが、華やかに咲くさまは並の雑草にはない気品がある。
茎は花時には直立して5-25cmになる。花後に倒伏し、つる状に地をはって1m以上伸び、節から根を出して広がる。茎は断面が4角形で葉柄や萼とともに開出毛がある。
葉は長い柄があって対生し、長さ1.5-2.5cm、幅2-3cmの円形で先は円く基部は心形、縁に波状の鋸歯がある。両面に毛がある。茎や葉をもむと特有の香りがあるが、中には悪臭と感じる人もいるようだ。
花は短い柄があって葉腋に1-3個ずつ横向きにつき、萼は長さ7-9mmの筒状の鐘形で15脈があり、先はやや斜にほぼ同形に5浅裂し、裂片は短い刺状にとがる。花冠は淡紅紫色、長さ1.5-2.5cmの唇形で、株によって大小2型がある。上唇は直立して先は浅くへこみ、下唇は3中裂して中央裂片が前に突き出し、大きくて先はへこみ、濃紫色の斑紋と白色の毛がある。側裂片は小さい。雄しべは4個でうち2個が長く、上唇の内面に沿って斜上する。子房は深く4裂し、柱頭は2裂する。
果実は4分果で、分果は長さ約1.8mmのやや扁平な楕円形で腺点がある。
若葉はあくを抜いて食用にする。薬用では連銭草といい、花時に全草を採取して陰干しにして利用する。消炎、利尿、解熱、鎮咳、血糖降下などの作用があり、民間薬としては子供の癇(かん)に、生葉はタムシやかぶれなどに用いられる。
葉に白斑が入るものをフイリカキドオシといい、セイヨウカキドオシの斑入り品種とともにロックガーデンやカバープランツとして利用される。
花期:3-5月
分布:北・本・四・九
撮影:2004.5.2 埼玉県都幾川村
カキドオシ 花色の濃いもの
花色の濃いもの 2009.4.6 東京都奥多摩町


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