カヤツリグサ

カヤツリグサ(カヤツリグサ科)[蚊帳吊草]

名は、両端から二人で裂くとできる4角形を蚊帳に見立ててついた。蚊帳をまったく知らない世代が多くなってしまったが、昔は部屋の四隅に蚊帳をつるすための釘が打ってあり、夏の夜はふとんを敷いてから蚊が入らないように蚊帳をつり、念のために蚊取り線香も焚いて家族がみんな入って寝たことを思い出す。ときには近所の田んぼで捕ってきたホタルを蚊帳の中に放して寝たりして子供ながらにも風情を楽しんだ。同じ由来からマスクサともいうが、別種の標準和名として使われている名であり、混乱のもととなるので使わない方がいい。キガヤツリともいう。
畑や道端、荒れ地などに普通に生え、高さ20-60cmになる1年草。古い時代に渡来した史前帰化植物だと考えられている。全体に芳香があるというが、個人的にはほとんど感じられない。
茎は細くて硬く中実で3稜があり、単生または2-3本叢生する。根茎はなく、紫色のひげ根がある。
葉は基部に1-3個つき長さは茎より短く、幅2-4mmの線形で光沢がある。
茎の先に葉と同形の細長い苞を3-4個つけて、その間から5-10個の細い花序の枝を出し、枝はさらに普通3個の枝にわかれ黄褐色~褐色の小穂がややまばらに斜開してつく。苞のうち1-2個は花序より著しく長く、ときに50cmを超える。花序の枝や小穂の軸には狭い翼がある。小穂は長さ0.5-1.2cm、幅1.5-2mmの線形で10-20個の小花が2列に並んでつく。鱗片は長さ約1.5mmの広倒卵形、黄褐色で中脈は緑色で突出、先は円く先端は微突端。花柱は果体の約1/3、柱頭は3個。
果実は3稜のある長さ約1.3mm、幅0.5mmの倒卵形で鱗片よりやや短い
薬用としては、全草を去痰や脚気に用いる。
チャガヤツリとよく似ているが、チャガヤツリは小穂の先端が芒状に長く突出してやや外側に反り返る。また、花序の枝は分枝せず小穂がまとまってつくことで区別する。カヤツリグサの仲間はよく似ていて外見で区別しにくいものが多い。
花期:8-10月
分布:本・四・九・沖
撮影:2017.8.21 神奈川県三浦市
カヤツリグサ-2
鱗片の先は微突端で長く伸びない。 2016.10.21 横浜市戸塚区

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