コウライテンナンショウ

コウライテンナンショウ(サトイモ科)[高麗天南星]

名は、朝鮮半島中部産のものに基づいて発表されたことによる。
山地や多雪地の林下や湿った草地などに生える雌雄異株の多年草で、高さ1mになる。この仲間の雌雄は栄養状態によって可逆的に変化し、初めは雄株で栄養状態がよければ雌株になるが一度雌株になった株でも雄株に戻ることがある。
地下茎は扁球形の球茎。鞘状葉や偽茎(内側の葉の葉柄と花茎の基部を抱いて茎のように見える葉鞘部)の斑は目立たない。
葉は2個つき、偽茎は葉柄よりはるかに長く、開口部は襟状に広がる。葉身は鳥足状に分裂し、中央に1個の小葉があり、左右に数個ずつ側小葉をつける。小葉は9-17個、披針形~狭楕円形で全縁、両端がとがる。
花茎は葉柄とほぼ同長または長く、花序は花茎の先に1個つく。仏炎苞は葉身より遅く展開し、全体緑色で白い筋が目立つ。筒部は円筒形で口辺部は狭く開出し、または開出せずに舷部の基部に向かって狭まり、舷部は卵形~狭卵形、しばしばドーム状に盛り上がり、その部分で白筋が広がって半透明になり鋭頭~鋭尖頭で、内面に隆起する細脈がある。肉穂の付属体は棒状から棍棒状まで変化が多く、淡緑色~淡黄色、有柄で細く、直立または上部でやや前に曲がる。雄花は数個の雄しべが合着し、雌花は1個の雌しべからなり、花被はない。
果実は卵球形の液果で、熟すと朱赤色になる。種子はほぼ球形で乳白色。
テンナンショウ属の植物は、フィールドで見ても一見どれも同じものに見えるうえに、変異が連続的でどちらともつかないものも多い。また、分類学者によっもマムシグサとして同一視する説や細部の差異をとらえて分類する説もあり、またその分類も必ずしも決定的、統一的なものとはいえず、いまだ混乱状態にある。我々巷の野生植物愛好者はその議論の行方を見守るしかない。本種も従来北陸~東北・北海道に分布するとされてきたが、類似の植物は中部地方~九州にも見られ、東北地方~九州まで広く分布するカントウマムシグサとの区別は明らかになっているとはいえない。
花期:5-6月
分布:北・本・九
撮影:2011.5.22 青森県六ヶ所村
コウライテンナンショウ-2
仏炎苞は全体に緑色。舷部に白い筋が入る。 2011.5.22 青森県六ヶ所村

コウライテンナンショウの果実
赤熟した果実(液果)。 2010.9.27 青森市


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