マツカゼソウ

マツカゼソウ(ミカン科)[松風草]

名は、草姿が優しくて趣があり、かすかな松風に吹かれていつも揺れている印象があることからついたもの。風に揺れると白っぽい葉裏が見え、その形と相まって独特の趣がある。また、能舞台などに描かれる松の枝の図柄に似ているので、松枝草(マツガエソウ)とよばれていたものが転訛したとの説のある。こちらのほうがより納得できる。
日本産のミカン科の草本は本種のみ。
山地の林縁などやや日陰に生え、高さ50-80cmになる多年草。茎は無毛で直立し、上方で細かく分枝する。
葉は互生し、薄くて軟らかく、腺点かあって強い臭気を発する。葉を日に透かして見ると透明な腺点が多数見える。3回3出羽状複葉で小葉は長さ1-2.5cm、幅0.7-1.5cmの倒卵形~楕円形で全縁、先は円いかへこみがある。裏面は白色を帯びる。
枝先に円錐状の集散花序を出し、白色の直径5mmほどの小さな花を多数つける。花弁は4個、長さ3-4mmの長楕円形で半開する。雄しべは6-8個あり、花弁より長いが長さは一様でない。花盤は壺状になり、縁に小さな鋸歯がある。萼片は4個で長さ約1mmの長楕円形。
果実は長さ2mmほどの柄があり、4分果に分かれる。分果は長さ3mmの卵形の蒴果。種子は長さ約1.5mmの腎形で暗褐色、粒状突起がある。
本の間にはさみ、紙魚(しみ)よけに用いる。また、開花期の全草を干したものを臭節草(しゅうせつそう)といい、酒に漬けて神経痛などに用いる。
花期:8-10月
分布:本(宮城県以南)・四・九
撮影:2017.9.8 神奈川県逗子市
マツカゼソウ-2
2006.9.15 東京都八王子市

マツカゼソウ-3
雄しべが長く突き出る。下の花は雄しべが落ちて分果が膨らみ始めたもの。
2017.9.8 神奈川県逗子市

マツカゼソウの葉
葉は3回3出羽状複葉で小葉は全縁。 2017.9.8 神奈川県逗子市


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。