ミソハギ

ミソハギ(ミソハギ科)[禊萩]

名の由来は諸説あるが、盆のときの精霊棚の供物に水で濡らしたミソハギを振って浄め、また供花として使ったことから、あるいは行者が禊ぎのときにこれを挿して拝むことから「みそぎはぎ」が転訛したものといわれる。溝に生えることからついたという説もあり、実際「みぞはぎ」ともよばれている。旧暦の盆のころに咲くので「盆花」「精霊花」とよんでいる地方も多く、仏前に供えるために水田周辺でも刈り取られずに残り、また農家の庭にもよく植えられている。
本州~九州の田のあぜや湿地、放棄水田などに群生する多年草。北海道では確認されておらず、あったとしても栽培品の逸出で本来の自生ではない。
茎は無毛、4稜形で直立し、上部で分枝して高さ0.5-1mになる。根茎は横にはう。
葉は対生し、長さ2-6cm、幅0.6-1.5cmの広披針形で全縁、先はとがり基部は円形で茎を抱かない。
茎の先に穂状花序を出し、苞葉の腋に1-3個ずつ直径1.5cmほどの花をつけ、花序の下から上に向かって咲き上る。対生の葉の腋につくため4-6個の花が輪生しているように見える。萼筒は長さ5-8mmの円筒形で無毛、12稜があり、萼歯は6個、萼歯間の湾入部に長さ直立した針状の付属片が6個ある。花弁は6個で濃紫紅色、長さ6-7mmの長卵形で基部は狭い。雄しべは12個あり、萼筒内面について2輪になり、交互に長短がある。子房は無柄で2室、雌しべは1個。ミソハギ属は自家受粉を防ぐ巧妙な仕掛けとして雄しべと雌しべがそれぞれ長・中・短の3型があり、長雌しべには中雄しべと短雄しべ、中雌しべには長雄しべと短雄しべ、短雌しべには長雄しべと中雄しべという組み合わせになる。
果実は残存した萼筒に包まれた膜質の蒴果で2片に裂開し、さらに2裂する。
若芽はゆでて食用にする。薬用では千屈菜(せんくつさい)とよばれ、花が終わるころに地上部を採取して日干しし、下痢や打撲に用いられる。
よく似たエゾミソハギは北海道~九州まで分布し、全体に毛が多くて花付きもよく、葉の基部は狭まらず茎を抱くこと、萼歯間の付属片が直立することで区別できる。ただしどちらともつかないような中間型もあり、メミソハギとよばれている。
花期:7-8月
分布:本・四・九
撮影:2013.8.17 青森県東通村

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