ミヤマキケマン

ミヤマキケマン(ケシ科)[深山黄華鬘]

海岸沿いの林縁や道端に生えるキケマンに対し、単に区別するため、または海岸には生ええないことからついたものだろう。ミヤマとは名ばかりで深山には見られない。神奈川県南部の丘陵地でも見かける。華鬘とは仏堂の飾りに使う仏具のことで花姿を同属のケマンソウの花をそれにたとえたもの。本州中部以西に生えるフウロケマンの変種とされる。
山野のやや湿った斜面や、道路沿いの法面、水田の縁などに普通に生え、多数の茎を出して高さ20-45cmになる2年草。全体無毛で軟らかい。茎は断面が円く中空で紫褐色を帯びる。地下に塊茎はない。
葉は互生し、質は薄く白緑色でしばしば紫褐色を帯び、3角状狭卵形で数回羽状に裂ける。小葉は卵形で羽状に裂け、さらに欠刻がある。
茎頂の長さ4-10cmの総状花序に長さ2-2.5cmの黄色い唇形花を20-30個つける。苞は披針形。萼片は2個で小さい。花弁は4個、上側の1個は下側のものより長く、後方は距となる。内側の2個は同形でやや小さく、先端で合着する。雄しべは2個、花糸は3裂して外側の2個の葯室は1室、中央の1個は2室。子房は1室。
果実は長さ2-3cmの線形で、数珠状にくびれ、不規則に曲がった蒴果。熟すと2片に裂ける。種子は光沢がある黒色で仮種皮があり、直径1.5-1.7mmで表面に円錐状の突起がある。
この仲間は全て全草有毒なので、軟らかくうまそうに見えても決して食べてはいけない。アルカロイドの一種であるプロトピンを含み、食べると嘔吐、呼吸麻痺、心臓麻痺を起こす。
母種のフウロケマンは本州中部以西・四国・九州に生え、ミヤマキケマンより全体に小さく、花が2-8個と少ない。距は下方に屈曲する。ただ、中間の形態のものも多い。また、北海道・本州北部に生えるエゾキケマンは種子の表面に凸レンズ状の突起があるが、ミヤマキケマンの種子表面の突起は円錐状。よって両者は外見だけでは判別不能。
花期:4-6月
分布:本(近畿以北)
撮影:2003.5.11 青森県五戸町
ミヤマキケマン-2
2008.4.28 山梨県大月市


2008.4.20 秋田県八峰町

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