ノブドウ

ノブドウ(ブドウ科)[野葡萄]

名は野に生えるブドウの意。
夏に咲く花は淡緑色で小さいので目を留める人は少ない。しかし9-10月には色とりどりの果実を多数つけ、いや応なしに目立ってしまう。その実は、毒ではないといわれているが、食べると嘔吐や下痢を起こすという話もある。またほとんどの実にハエやハチの幼虫が寄生しているので食用にはならない。色は緑、青、紫、青紫、赤紫、桃、白など多彩で、一つの植物でこれほど多くの色の実をつけるものはほかには見当たらないと思う。これを美しいと感じるか毒々しいと感じるかは人それぞれだろう。北奥羽では「メクラブドウ」といい、宮沢賢治はこれを題材として童話「めくらぶどうと虹」を書いている。

空き地や野原、河川敷などに生え、巻きひげのあるつる性の多年草~落葉低木で、茎は赤みを帯びて分枝しながら節ごとに巻きひげを出して低木などに絡みついて伸び、下部は木化している。枝には気孔があり、若い枝には淡褐色の粗い毛がある。樹皮ははがれ落ちない。
葉は互生して、直径4-13cmのほぼ円形で多くは3-5浅~深裂し、先は急にとがり基部は心形、縁に粗い鋸歯がある。裏面は淡緑色で脈上に粗い毛があり、脈腋に毛叢がある。柄は長さ2-8cm、長いものは葉身と同長で有毛。
葉と対生状に長さ1.5-3.5cmの柄のある集散花序を出し、直径3-5mmの小さな帯緑黄色の両性花を多数つける。萼片と花弁は5個、雄しべは花弁と同数で短い。花弁と雄しべは開花後早く落ちる。子房は上位で2室、基部は蜜を出す杯状の花盤と合生する。花柱は細く直立する。
果実は直径6-8mmの球形の液果。帯白色で気孔があり、さまざまな色に変化し、熟して空色になる。ノブドウミタマバエ等の幼虫が開花期の雌しべに卵を産みつけ、虫癭ができているものが多い。種子は1-4個。
薬用には茎や葉、根を日干しまたはすりつぶして利用する。茎葉は蛇葡萄(じゃほとう)、根は蛇葡萄(じゃほとうこん)といい、目の充血や関節痛に効くという。
葉の形には変化が多く、幼木では深く切れ込むが成木になると切れ込みは浅くなる。成木でも葉の切れ込みの深い品種をキレハノブドウという。葉が無毛で光沢があるものをテリハノブドウといい、暖地の海沿いに生える。
花期:7-8月
分布:日本全土
撮影:2009.9.20 秋田県大館市
ノブドウの果実
果実は白緑色、紫色、碧色などさまざまな色になる。
2009.9.20 秋田県大館市

ノブドウの花
花序は互生する葉と対生状に出る。 2004.8.29 青森県八戸市

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