オキナグサ

オキナグサ(キンポウゲ科)[翁草]

名は、果実の長く白い毛を翁の白髪に見立てたもの。
絶滅危惧Ⅱ類(VU)。昔はあちこちに生えていたのだというが、茅原の減少と盗掘によって、今では絶滅が心配されるほど珍しいものになってしまった。宮沢賢治は「おきなぐさ」という童話の中で、この花のことを親しみを込めて「うずのしゅげ」とよんでいる。岩手の方言らしいが、今でもそうよぶ地方があるのだろうか。有毒で牛馬は食べないので、柵のあって人の入れない放牧地には大きな株が残っている。
アズマギクが群生するような山野の明るい草地などに生える多年草で、根生葉や花茎は白色の軟毛で被われている。
根生葉は長い柄があって叢生し、2回羽状複葉で小葉はさらに2-3深裂する。小葉は深裂し裂片はさらに切れ込む。茎葉(苞葉)は無柄で3個が輪生し、線状の裂片に裂ける。
根生葉の腋から出た花茎の先端に1個だけ花をつける。花は直径2.5-3cmの鐘形で下向きにうつむいて咲く。開花時は高さは10-15cmだが、花後に上向きになって花茎を伸ばし、果期には30-40cmになる。花弁はない。花弁状の萼片は6個あり、長さ2-2.5cmの長楕円形。外面は長白毛が密生して白っぽく見え、内面は暗赤紫色。雄しべ、雌しべは多数。花柱は長く、長白毛があり羽毛状になる。
果実は長さ3mmの狭卵形の痩果が球状に多数集まったもので風に乗って運ばれる。花柱は果期には伸びて長さ3-4cmになり、長さ3mmの白毛を密生する。
漢方では根を乾燥したものを白頭翁(はくとうおう)とよび、熱性下痢や月経不順などに用いる。
花期:4-5月
分布:本・四・九
撮影:2005.5.29 岩手県北部
オキナグサの果実
果期のオキナグサ 2004.5.9 宮城県中部

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