オランダガラシ

オランダガラシ(アブラナ科)[和蘭芥子]

「オランダ」は外国から入ってきたものを指し、特有の辛味があることからついたもの。別名クレソンミズガラシという。
ヨーロッパに広く分布し、フランス語でcresson、英語ではwater-cressとよばれ、もともとは薬草として親しまれていた。軽い苦みと辛みが好まれ、肉料理の付け合わせやサラダなどに使われる。
きれいな水が流れているところで水辺を埋め尽くすようにびっしりと群生するが、水がよどんだり汚れているところにはあまり生えない。繁殖力はきわめて旺盛で、茎を切って水に浸しておけば数日で発根してくる。深山にまで侵入し、既存の生態系を攪乱するおそれがあるので生態系被害防止外来種リストに掲載されている。
一般的には、新宿御苑の園長を務めた福羽逸人子爵が明治の初めにフランスから栽培法とともに伝えたとされ、軽井沢などで外国人用に栽培されていたものが野生化して全国に広がったといわれている。しかし、オランダのライデンにあるシーボルトハウスのコレクションに標本があることから、何らかの形で日本に入り、江戸時代後期にはすでに栽培されていたというのが真説のようだ。

ヨーロッパ、中央アジア原産で全体無毛の多年草で水辺や水中に群生する。茎は中空で下部ははって節から白いひげ根を出し、上部は立ち上がって高さ20-50cmになる。
葉は短い柄があって互生し、長さ4-12cmの奇数羽状複葉。小葉は1-5対(3-11個)あり、長さ1-3cm、幅1-2.5cmの卵形~楕円形、深緑色(冬季には赤茶色になる)でほぼ全縁または波状縁で縁に沿って少数の半透明の腺点がある。頂小葉が大きく、基部に行くにしたがって小さくなるが、ときに頂小葉も側小葉もほぼ同形同大のものがある。
茎の先に密な総状花序を出し、直径4-5mmの白色の花を多数つける。花序は花後に伸びる。萼片は4個で長さ2.5-3mmの楕円形。花弁も4個で長さ4-5mmの楕円状へら形、先はほぼ円形。雄しべは6個で外側の短い雄しべの基部に馬蹄形の大きな蜜腺がある。雌しべは1個。
果実は長さ約1cmの柄につき、長さ1-1.5cmの平らで円柱状の長角果で弓形に上に曲がって先はとがり、熟すと下から2裂する。種子は茶褐色~赤褐色で表面に網目模様があり、長さ約1mmの平たい卵形で2列に並ぶ。
花期:4-8月
分布:帰化植物
撮影:2004.7.3 青森市
オランダガラシ-2
花は花序の外側から咲く。果実は長さ1-2cmの長角果。 2017.5.11 横浜市港南区


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