ラセイタソウ

ラセイタソウ(イラクサ科)[羅背板草]

夏の海岸を歩いていると、くしゃくしゃにしわが入った、一見作り物かと思うような質感の葉をもった植物を目にすることがある。それが本種で、ラセイタとは、羅紗(ラシャ)に似た毛織物で地合が薄く手触りのやや粗いものをいい、葉がそれに似ていることからこの名がある。
ほかに似たものもなく、一度見ると忘れることができない強烈な印象を残すが、美しい花を咲かせるわけでもないので、名前を知る人はあまり多くないだろう。
葉が厚くて細かいしわがあるのは、海岸の乾燥から身を守るために自ら適応していった結果なのだと考えられる。

海岸の岩場や崖地に株立ちになって生え、茎は太く高さ30-70cmになる多年草。
葉は柄があって対生し、長さ6-15cm、幅4-10cmのゆがんだ広卵状楕円形~倒卵状円形で厚く、基部は円形、先はとがりしばしば浅く2-3裂する。両面に短毛があり細かいしわがあってざらつく。鋸歯は小さく揃う。
雌雄同株で雄花序は細長い糸状で下部の葉腋につき、雌花序は上部の葉腋につき、球状に集まった雌花の集団が太く短い穂となる。雄花は基部に苞葉がつき、4個の花被片と4個の雄しべがある。雌花は無柄で花被片は合着して扁平な壺形になり、1個の柱頭を持つ子房がある。
果実は宿存花被に包まれた痩果で、葉より短い太い穂に密接してつく。宿存花被の全面に短毛があり、上部には長く粗い毛がある。
ヤエヤマラセイタソウは葉が円みを帯び、鈍鋸歯が大きくまばらなもので、石垣島、与那国島に産する。
風媒花で同じカラムシ属との間で交雑しやすく、ヤブマオ、オニヤブマオ、コアカソとの雑種と思われるものもある。
花期:7-9月
分布:北(南部)・本(紀伊半島以北の太平洋側)
撮影:2013.8.18 青森県佐井村


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