センブリ

センブリ(リンドウ科)[千振]

名は、お湯に千回振り出してもまだ苦いことからの命名で、当によく効く薬から別名をトウヤク(当薬)という。 江戸時代にはノミ・シラミの予防、駆除に使わていたらしく、胃腸薬として使われるようになったのは江戸時代中期以降のことで、本格的に認知されるようになったのは明治に入ってからのことだという。ゲンノショウコ(シロバナゲンノショウコベニバナゲンノショウコ)やドクダミとともに代表的な民間薬として珍重されてきた。スウェルチアマリンなどの苦味配糖体を含んでいるので強い苦みがあり、健胃・整腸に薬効がある。皮膚の血行促進作用があるので、最近は育毛剤としても利用されている。また、肝保護、血糖降下作用もあるといわれている。東北地方では秋~冬にかけて販売している産直施設もある。
山野の日当たりのよい乾いた草地に生える日本特産の1~2年草で、茎は4稜形で淡紫色を帯びて直立し、高さ5-20cmになる。根は黄色い。
茎葉は無柄で対生し、長さ1.5-3.5cm、幅1-3mmの線形でやや鈍頭、しばしば紫緑色を帯び、縁は全縁で多少外側に反る。
茎の先や葉腋から出た円錐花序に直径1.5-3cmの白色の花を上向きに多数つける。萼は5全裂し、萼裂片は長さ0.5-1cmの線形~線状披針形。花冠は5深裂して平開し、外面はしばしば紫色を帯びる。裂片は長さ1.2-1.5cmの広披針形で紫色の脈があり、基部付近に淡紫色の蜜腺溝が2個ある。腺溝の周りに長毛がある。雄しべは5個。子房は上位で1室。柱頭は板状で2個。
果実は長さ約1cmの蒴果で花冠より少し長く、2片に胞間裂開する。種子は多数でき、球形で滑らか。
秋の牧場に行くとたくさんあるが、だんだん自生地も限られてきたようだ。上のような花が普通だが、下の写真のように花冠の裂片が細長いタイプも見られる。
花が紫がかり丈も大きいムラサキセンブリは、北限は青森県だがごくまれで、西日本に多い。湿地に生えるイヌセンブリは、葉の幅は広く、苦みは弱く薬用にならない。
花期:9-11月
分布:北(西南部)・本・四・九
撮影:2004.9.26 岩手県種市町
センブリ-2

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