シンワスレナグサ

シンワスレナグサ(ムラサキ科)[真勿忘草]

花は小さいが、澄んだ空色の花はなかなか美しい。
ワスレナグサについては有名な伝説がある。ドナウ河畔を恋人と散歩していた若者が恋人にこの花を請われ、この花を摘み取ったが、足を滑らせて川に落ちてしまった。流されながらもこの花を恋人に投げ、「私を忘れないで!」と叫びながらおぼれ死んでしまった、というもの。英名もForget-me-not(広義)で、和名はこれを訳したもの。細かいことをいえば、この植物が人をも飲み込むような急流の縁に生えているのかという点についてはどうにも納得がいかない。
なお、本種は牧野図鑑に示されているいわゆる古い渡来種であるMyosotis alpestris(ノハラワスレナグサ)ではなく、真のワスレナグサ(true forget-me-not)ということでシンワスレナグサMyosotis scorpioides とよばれる。
栽培もされているが、花屋でワスレナグサとして売られているものは、ほとんどがこれとは別種や交配種らしい。

ヨーロッパ原産の多年草で、観賞用として栽培されていたものが逸出したもの。初め1950年代に長野県松本市で逸出が確認され、その後東日本を中心に広がっている。湿った野原や水田のあぜなどに多く、茎は稜があって全体に伏毛が生え、基部は地をはって先は斜上して高さ20-50cmになる。しばしば基部から走出枝を伸ばす。
下部の葉は叢生して柄があり倒披針形、上部の葉は互生して柄がなく長楕円形で全縁、基部はやや茎を抱く。両面とも微細な毛がある。
茎の先にさそり状の花序を出し、直径6-9mmの淡青紫色の花を咲かせる。花冠喉部に黄色の鱗片状の付属体がある。萼は倒円錐形でほぼ同形に5浅裂し、裂片は正3角形で細く先がとがり、筒部より短く、外面には筒部とともに伏毛がある。花柄は果時には萼のほぼ2-3倍長。
果実は堅果状の4分果。分果は黒褐色で光沢があり、長さ1.5mmの楕円形で平滑。
花期:5-10月
分布:帰化植物
撮影:2006.6.4 岩手県盛岡市
シンワスレナグサ-2
2015.7.6 岩手県盛岡市

シンワスレナグサ-3
2018.5.10 川崎市宮前区

タチカメバソウに戻る


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。