ソナレマツムシソウ

ソナレマツムシソウ(スイカズラ科)[磯馴松虫草]

名は「磯馴の松」と同じく、強い潮風を受ける海岸に生えるマツムシソウの意。「松虫」は、マツムシ(現在のスズムシ)が鳴くころに咲き始めるからという。異説として、咲き終わった花の形を六部とよばれる巡礼僧の持つ松虫鉦(まつむしがね)に見立てたもの(「植物名の由来」中村浩著)という説があるが、深津正の「植物和名の語源探求」では、この説に対し、松虫鉦として図示されているものの出典が示されず、専門家でもそのような形の鉦は見聞したこともないまったく根拠のないものだとして否定的な意見を述べている。
この仲間は以前はマツムシソウ科として独立していたが、APG分類体系ではマツムシソウ科の全ての植物がスイカズラ科に合一された。
海岸草地や山地の芝地や裸地などに生える2年草または多年草で、丈は低く10-30cmにしかならない。自生個体数は少なく、第4次レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に追加された。箱根や愛鷹山塊に生え、アシタカマツムシソウとよばれてきたものはソナレマツムシソウと同種であるとされ、YListでも別名として取り扱われている。
葉は対生し質が厚く光沢があり、花期に根生葉がある。長さは10cmほどで羽状に深裂するが裂片は広く円い。
頭花は直径4cmほどで茎頂に上向きにつき、中心部は筒状花冠で等しく5裂する。周辺部は上下2唇形花冠で大きく、上唇は小さく2裂し下唇は大きく3深裂する。雄しべは4個が離生して花筒の中部につき花冠から突き出る。柱頭は1個。萼片は5個あり長さ4-5mmで刺状。
果実は紡錘形の痩果。痩果が集まって半球形の坊主頭のようになる。
マツムシソウは高原に群落をつくり、背が70-90cmと高く、葉の裂片はさらに深く切れ込む。
タカネマツムシソウは本州と四国の亜高山帯~高山帯に生え、 花は直径5cmほどとやや大きい。北海道と青森県の海食崖には矮小化したエゾマツムシソウがあり、高さ20cmほどで花をつける。
花期:8-11月
分布:本(千葉、神奈川、静岡県)
撮影:2016.10.20 神奈川県三浦市
ソナレマツムシソウの花
青紫色の涼しげな花は直径4cmほど。 2016.10.7 神奈川県三浦市

ソナレマツムシソウの葉
ソナレマツムシソウの葉。裂片は広く円みがある。 2016.10.7 神奈川県三浦市

ソナレマツムシソウの若い果実
若い果実。 2018.9.12 神奈川県横須賀市

ソナレマツムシソウの果実
果実。 2018.9.12 神奈川県横須賀市

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