スイカズラ

スイカズラ(スイカズラ科)[吸葛]

花の基部に蜜があり、吸うと甘いことからこの名がある。異説として水を吸う葛の意、毒分を吸い取る作用がある葛の意、冬を忍ぶ「しぬひかつら」の転ではないかというものがある。花が咲き初めは白だが、のちに黄色に変わることからキンギンカ(金銀花)の別名もある。葉が冬でも完全に落葉せず、少し残ることから漢方では忍冬(ニンドウ)とよばれる。
山野の林縁のやぶや道端に生える半常緑でつる性の木本で、他の草や木に絡みついて伸びる。北アメリカやヨーロッパでは観賞用に植えられたものが野生化し、厄介な雑木として嫌われている。樹皮は帯灰赤褐色で縦に裂けて落ちる。枝は中空で長く伸び、よく分枝して茂る。若枝は褐色の軟毛と腺毛が密生する。
葉は対生し、長さ2.5-8cm、幅0.7-4cmの長楕円形~楕円形だが葉形は変化が多く、ときに羽裂するものもある。縁は全縁、先は円頭~やや鋭頭、基部は切形~広いくさび形、両面脈上に毛がある。暖地では葉は内側に巻いて越冬する。葉柄は長さ3-9mmで開出毛が密生する。
枝の上部の葉腋から短枝を出し、甘く上品な香りのある花を2個ずつつける。香りは夜になると一層強くなる。蜜は甘く、子供のころ、家の近くにいくらでもあったので、花冠の根元にある甘い蜜を吸って遊んだ思い出がある。花の基部の苞は葉状で長さ0.5-2cmの卵形。小苞は長さ1.2-2mmの円形で多毛。萼は長さ1-2mmで5裂し、裂片は長さ1-2mmの披針形~卵形で多毛。花冠は長さ3-4cmの筒形、初め白色またはわずかに紅色を帯び、しだいに黄色に変わる。細い花筒の先が大きく唇形に2裂する。上唇は立って先は浅く4裂、下唇は広線形。花冠内面は軟毛があり、外面は下向する毛と腺毛がある。雄しべは5個で葯は長さ2.5mm、雌しべとともに花冠から長く突き出る。花柱は細く3-4mmで柱頭は頭状。
果実は直径5-6mmの球形の液果で2個ずつ並んでつき、9-12月に青黒色に熟し、少し光沢がある。中に長さ2-3mmの広楕円形で暗褐色の種子が2個ある。
開花期に花を摘んで乾燥させたものを金銀花(きんぎんか)とよんで、関節痛、解熱、利尿などに用いる。葉を乾燥させたものは忍冬(にんどう)とよび、腫れ物、口内炎、湿疹、かぶれなどに用い、茶として飲むと利尿作用がある。浴湯料としても使われ、神経痛や痔の痛みに効く。茎葉と花を酒に漬けて忍冬酒にする。
毛が薄く、葉の光沢が強いものをテリハニンドウ、花冠外面が淡紅色のものをベニバナスイカズラという。
花期:5-6月
分布:北(渡島半島)本・四・九・沖
撮影:2017.5.24 神奈川県横須賀市
スイカズラの花
2017.5.15 神奈川県横須賀市


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