スカシユリ

スカシユリ(ユリ科)[透し百合]

ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)などとともに、その花の大きさとあでやかさで北東北の初夏の海岸景観を彩る重要なメンバー。「透百合」の名は、花被片のつけ根が細くなっていて隙間があることによる。美しいのでよく庭で栽培され、園芸品種も多い。なお、園芸の世界では太平洋側のものをイワトユリ、日本海側のものをイワユリとよぶが同種であり、YListではスカシユリの別名としている。なお、園芸上でスカシユリというのは、スカシユリ、エゾスカシユリから作出された園芸品種の総称のこと。
海岸の岩場や砂地に生える多年草で、高さは20-60cmになるが、30cm程度のものが多く、その短い茎の上部に不釣り合いなほど大きな橙赤色の花を上向きに咲かせる。
鱗茎は多数の肉質の鱗片からなり、卵形で全縁、白色。昔は鱗茎を食用として利用した。茎は稜角があり、下部に乳頭状突起や短剛毛があり、若い時期は多少白色の綿毛がある。
葉は多数が互生し、長さ5-10cm、幅1-2cmの披針形~広披針形で厚く、無柄。
茎頂に直径13-15cmの花を1-3個上向きにつける。花被片は6個あって斜め上向きに開き、長さ7-12cmの倒披針形で橙赤色、濃色の斑点があって中肋に沿って密毛が生える。下部は細くなり、各片の間に隙間がある。雄しべは6個で葯は赤褐色。雌しべは雄しべより長く、花柱は子房より長い。
果実は長さ3-5cmの倒卵状楕円形の蒴果。
ミヤマスカシユリは岩手県~茨城県・新潟県に生え、茎は下垂し葉は広線形、花被片は強く反り返る。花期は7月。
ヤマスカシユリ
は、岩手県~新潟・長野県に生え、蕾や花柄に綿毛はなく、花被片の先はやや反り返り、下部の隙間が狭いもの。花期は6-7月。
北海道の原生花園などに生えるエゾスカシユリは、成株でも蕾や花柄に白い綿毛が生え、草体がスカシユリより大型で高さ50-90cmになる。青森県の日本海側にはエゾスカシユリと思われる、成株で蕾や花柄に綿毛の多いものが生えている。
花期:6-8月
分布:本(太平洋側は紀伊半島以北・日本海側は新潟県以北)
撮影:1998.7.5 青森県八戸市
スカシユリ-2
群生するスカシユリ 2003.7.21 青森県平内町

スカシユリ-3
花の色の濃淡は変化があり、東北北部産に比べ関東産のものは色が淡い。
2016.6.30 神奈川県横須賀市

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