ススキ

ススキ(イネ科)[薄・芒]

名はすくすく育つ木(草)に由来するといわれるが、「素葺き」説などほかにも諸説あり、はっきりしない。
秋の七草の一つで尾花(オバナ)とよばれ、穂が伸び出す頃になると誰もが秋の訪れを感じざるを得ないだろう。中秋の名月に団子と一緒に供えるのは、里芋や稲などの収穫物を魔物や災いから守り、翌年もまた豊作であるようにと祈ったことに由来するという。また、集落の近くには茅場(かやば)とよばれる管理されたススキ草原があり、定期的に刈り取って屋根材に利用した。「刈屋根」が転じてススキやチガヤのことをカヤ(茅)というようになったといわれる。ススキが手に入らないときはやむなく品質が劣る稲わらを使って「わら葺き屋根」にしたらしい。そのほか、ススキは家畜の飼料、炭俵やすだれの原料として、また民芸品等の材料としても使われ、有史以前から日本人の生活にとってなくてはならないものであった。が、現在では生活様式の変化からその多くが失われた。それとともにキキョウオミナエシなど、ススキ草原を好む植物もまた見られなくなってしまった。

日当りのよい原野のいたるところに群生する変異の多い大型の多年草で高さ1-2mになる。水中には生えない。茎は緑色で円柱形、中空で節があり、太くて短い根茎があり、葉とともに根元から多数叢生する。
葉は互生し、長さ50-80cm、幅0.7-2cmの長線形で硬く、白く太い中脈があり、先はとがり縁に細かい鋸歯があって著しくざらつき、手を切りやすい。裏面は多少粉白を帯びる。葉の基部は長い鞘となって茎を包み、葉舌は切形で短く、縁に白色の毛がある。
花序は長さ15-30cmの頂生の散房状。中軸は短く7-30個の総が斜開し、ほとんど基部から小穂をつける。小穂は長柄と短柄のものが対になり、長さ4.5-7mmの披針形で汚黄色を帯びてとがり、両性小花の護穎の先に途中で折れ曲がった長さ0.8-1.5cmの芒がある。小穂基部の毛(基毛)は長さ0.7-1.2cm、くすんだ白色で斜に開出し、果実が風で運ばれるときにキク科の冠毛と同様にパラシュートの働きをする。雄しべは3個。花外に出て黄色の葯が垂れ下がり、風に揺られて花粉を散らす。柱頭は茶色で羽毛状。
基毛が紫色のものをムラサキススキという。葉の幅が5mm以下と狭く、花序の総が少ないものはイトススキとよばれる。トキワススキは冬も葉が枯れない。
関東地方以西の太平洋岸に生えるハチジョウススキは大型で、茎は直径2cmと太く、葉は幅2-4cm、裏面が著しく灰白色を帯び、花序の枝が太く総も多数になる。葉の縁はほとんどざらつかず、葉舌は無毛。
よく似たオギは芒がなく、基毛は銀白色で小穂よりはるかに長く、3-4倍ある。根茎が長く伸び、節から茎を単生するので株立ちにならない。
花期:8-11月
分布:日本全土
撮影:2018.10.4 新潟県津南町
ススキ-2
2000.8.27 青森県東北町

ススキ-3
果期。 2018.10.24 横浜市栄区

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