スズメノヤリ(雌性期)

スズメノヤリ(イグサ科)[雀の槍]

全体に小さくて、頭花が大名行列の毛槍に似ていることからこの名がある。かつてスズメノヒエといったが、イネ科のスズメノヒエと混同するのでスズメノヤリというようになった。
日当たりのよい原野や芝地に普通に生え、高さ10-30cmになる多年草。地下茎は塊状。
根生葉は長さ7-15cm、幅2-6mmの線形~広線形、茎葉は2-3個、根生葉も茎葉も縁に長い白毛が生える。葉の先端は黒褐色で硬い。葉鞘は長さ1.5-2cmの筒状。
葉の間から花茎を出し、赤褐色の花が密生した丸い頭花を普通1個、まれに2-3個つける。花の基部に葉状の苞がある。初めに白い雌しべが伸び出し(雌性期:上の写真)、雌しべが受粉してしおれると雄しべが成長して花粉を出す(雄性期:下の写真)。自家受粉を避けるためのよくできた仕組み。花被片は6個で雄性期に開き、長さ2.5-3mmの長楕円状披針形、背部は褐色、縁は膜質で白い。雄しべは6個で花被片の2/3長。葯は黄色、長さ2mmほどの線状長楕円形で花糸はごく短い。
果実は長さ3mmほどの卵形の蒴果で黒褐色に熟す。種子は3個でき、長さ1mmの倒卵形で基部に種子の半長の種沈がある。この種沈はアリの好む成分を含むエライオソームで、アリがこれを運搬して種沈だけを取り、種子本体は捨てられて親株から離れたところで新天地を開拓する。
花期:3-5月
分布:北・本・四・九
撮影:2010.3.12 東京都文京区
スズメノヤリ(雄性期)
雄性期。黄色い葯が目立つ。2016.3.25 神奈川県横須賀市

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