タケニグサ

タケニグサ(ケシ科)[竹似草]

名は、茎が中空で多数の果実をぶら下げたさまが竹に似ているからといわれる。異説として一緒に竹を煮ると軟らかくなって細工しやすくなることからという安直な説もあるが、実験してみるとまったく軟らかくならないという。在来種であるが、全体がエキゾチックな感じがするのでインドシナのチャンパ(メコン川下流にあった国の名)辺りから渡来したものと考えて別名チャンパギク(占城菊)という。実際に帰化植物だと思っている人も多い。果実が風に揺れるとさやさやと音を立てるので「ささやきぐさ」という別名もあり、風が竹林を渡るときの音に似ているので、これが本当の由来のような気もする。
先駆植物の一つであり、日当たりのよい都会の荒れ地から山地の崩壊地や伐採跡まで広い範囲に生え、高さ1-2mになる大型の多年草。地下茎は橙赤色で大きい。全体に粉を吹いたように白く、茎は中空な太い円筒形で、切ると濃い橙黄色の汁が出る。汁には有毒なプロトピンやケレリトリンなどのアルカロイドを含み、「博落廻(はくらくかい)」という害虫の駆除薬に用いられた。肌につくとかぶれ、誤食すると嘔吐や昏睡、脈拍や体温低下、呼吸麻痺などを起こす。欧米では園芸植物として栽培される。
葉は長い柄があって互生し大きく、キクやイチジクの葉を思わせる。葉身は長さ20-40cm、幅15-30cmの広卵形で掌状に5-7中裂して裂片は粗い鋸歯があり、先は鈍く基部はやや心形、裏面は白色で縮毛が密生する。托葉はない。
茎の先に大きな円錐花序をつくり、おびただしい数の花をつける。萼片は2個で白色、長さ約1cmの倒披針形で開花直前に散り落ちる。花弁はない。雄しべは多数あり、花糸は糸状、葯は黄白色で長さ3-4mmの線形。花柱は短く、柱頭は太くなって2裂する。雄しべと雌しべが残った姿はカラマツソウの仲間に似ている。
果実は黄褐色で無毛、長さ2.5cm、幅5mmの広倒披針形の扁平な蒴果で下垂する。膜質の2蒴片に割れる。種子は少数。
葉の裏面に毛のないものをケナシチャンパギクという。
花期:6-8月
分布:本・四・九
撮影:2005.7.31 青森県八戸市
タケニグサの花
花弁はなく、萼片も散り落ちて雄しべが残る。 2018.7.27 神奈川県横須賀市

タケニグサの果実
果実は扁平。 2018.7.27 神奈川県横須賀市


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