タマノカンアオイ

タマノカンアオイ(ウマノスズクサ科)[多摩寒葵]

名のタマノは多摩丘陵で最初に採集されたことから、カンアオイは葉がフタバアオイの葉に似ていて、冬にも葉が枯れないで花が咲くことからついたもの。
関東地方西南部の雑木林の林下に局地的に生える常緑の多年草。環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類(VU)。
茎は紫黒色で葉痕が目立ち、地をはって細い多肉根を地中に下ろす。茎を切るとクスノキのような芳香がある。
葉は2-個の鱗片葉と1-数個の普通葉があり、普通葉は長い柄があり、長さ5-13cmの卵円形~広楕円形で全縁、基部は深い心形で表面は暗緑色で光沢は鈍く、脈は少しくぼむ。無地のもの、雲紋があるもの、脈沿いに淡色の斑が入るものなどさまざま。
花は直径3-4cmで葉柄の基部に1個つき、半ば地に埋もれる。花弁はなく、萼片は3個で暗紫色、上半部を残して合着し萼筒をつくる。萼筒は先が開いた長さ1cmほどの筒状鐘形で肉厚、喉部に環状のつばと突起がある。裂片の縁はふつう波打つ。内面に格子状の隆起があり短毛を密生する。雄しべは12個、花柱は6個で萼筒の半長以下、逆長靴形で先は2裂せず、上端に線状の柱頭がある。
果実は液果状で熟すと崩れ、種子には多肉の種沈がある。この種沈はアリの好むエライオソームで、アリによって運ばれる。
よく似たアマギカンアオイは静岡県東部と山梨県身延山に生え、葉の光沢が強く、脈は著しくくぼみ、花期は5月で花の直径は2cmほど。カンアオイ属はフタバアオイ亜属(フタバアオイ節)とカンアオイ亜属(ウスバサイシン節とカンアオイ節)の2亜属3節に分けられ、神奈川県でカンアオイ節は本種のほか、カンアオイ(カントウカンアオイ)ランヨウアオイ、オトメアオイ、ズソウカンアオイが見られる。
花期:3-4月
分布:本(神奈川県・東京都)
撮影:2018.4.27 川崎市多摩区
タマノカンアオイの花
弁化した萼筒は暗紫色で、喉部に環状のつばと突起がある。 2018.4.27 川崎市多摩区

タマノカンアオイの花-2
萼筒は太く肉厚で裂片は著しく波打つ。 2018.4.27 川崎市多摩区

タマノカンアオイの蕾
蕾。 2019.4.1 川崎市多摩区

タマノカンアオイの葉
葉面は無地のほか、雲紋があるもの、脈に沿って淡色の斑が入るものなど多彩。 2018.4.27 川崎市多摩区


2019.5.9 川崎市多摩区

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