トウゴクサイシン

トウゴクサイシン(ウマノスズクサ科)[東国細辛]

山地の落葉樹林下に生え高さ10-15cmになる多年草。
名は、東日本に生える細辛という意味で、この仲間の根を漢方で細辛とよび、鎮痛・鎮咳・去痰に用いたことによる。
葉は互生だが、地中をはう根茎の先に2個の葉を対生状につけ、秋に落葉する。葉柄は暗紫色で長い。葉は質が薄くて光沢がなく、長さ3.5-13cm、幅3-12cmの卵心形で、先は急にとがり基部は深い心形。
花は2個の葉の基部に1個横向きにつく。花弁はなく、萼筒は長さ0.6-1.1cm、直径1-1.5cmの扁球形で、萼筒入口は広く、萼筒径の半分以上ある。萼筒の基部や上部が暗紫色になるが、全体が暗紫色にならず、白色または淡桃色の部分が残る。内壁に縦に隆起したひだが15-21本ある。3個の萼裂片は長さ0.5-1cmの卵状3角形で先は少しとがり平開または斜開し表面に短毛が生える。雄しべは12個、花柱は6個。
果実は液果状の蒴果で、熟すと崩れ種子がころがる。種子には多肉の種枕がついている。
よく似たオクエゾサイシンは、萼筒入口が狭く、萼筒径の半分以下となる。
ウスバサイシンは、トウゴクサイシンと同じく萼筒入口が広く萼筒径の半分以上あるが、萼筒内壁全体が暗紫色を帯びる。
近年、ウスバサイシン節植物の分類に新たな検討が加えられ、3つの新種を含む7種に分類されるようになった。それによると日本のウスバサイシン節の植物は、中部地方・関東南部から中国地方に広く分布するウスバサイシン、阿蘇山地のアソサイシン、北海道・東北地方北部のオクエゾサイシン、四国・九州中部のクロフネサイシンの4種に、新種として関東・中部地方北部から東北地方一円のトウゴクサイシン、島根県のイズモサイシン、群馬・長野・栃木・新潟各県の県境部のミクニサイシンの3種を加え、計7種が分布するものとされた。
この画像のものもこのサイトでは従来ウスバサイシンとして掲載してきたものであるが、このような新たな知見に基づき別種トウゴクサイシンとして掲載した。
花期:4-5月
分布:本(関東・中部地方北部以北)
撮影:2001.5.4 岩手県滝沢村

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