ヤドリギ

ヤドリギ(ビャクダン科)[宿木・寄生木]

名は、他の木に半寄生することから「宿る木」の意。旧分類体系ではヤドリギ属はヤドリギ科であったが、APGではビャクダン科に移された。別名(地方名)ホヤトビヅタという。東北地方ではヒョウというところが多い。
葉のあるときはわからないが、葉を落として裸になった落葉樹のところどころにこんもりとボール状で緑色の葉が茂った部分があることに気づく。それがヤドリギで、宿主の枝や幹に根を張って養分と水分を吸い取り、自らも葉で栄養をつくる雌雄異株の半寄生常緑小低木。宿主はエノキ、ケヤキ、クリコナラミズナラ、ブナ、アカシデ、サクラ類、ヤナギ類などの落葉広葉樹だが、ヤドリギがついても枯死することはまずない。枯らしてしまっては自分も死んでしまうので、その辺は程度をわきまえているのだろう。
枝は円く軟らかくて折れやすく、緑色で無毛。二叉、ときに三叉分枝を毎年1段ずつ繰り返し、直径1mほどの球形に広がる。
葉は無柄で枝先に対生し、厚い革質で光沢はなく、長さ3-8cm、幅0.6-1.2cmのプロペラに似た倒披針状へら形で全縁、先は円く基部はくさび形で3または5脈がある。
早春に枝先の葉の間に黄色の小さな花をつける。雄花は直径約4mmで3-5個、雌花は雄花より小さく直径約2mm、1-3個ずつつく。花は無柄で基部に杯状の小苞がある。花被は肉厚で4裂する。雄花の雄しべは花糸がなく、葯は萼片に直接つき、花粉は黄色。雌花は下位子房があり、花柱はきわめて短い。
10-12月に半透明な淡黄色で直径6-8mmの球形の液果をつけて冬中残る。種子はふつう1個でときに2-3個入っていて扁平で深緑色。果肉は強い粘りがあり、食べた鳥の体内で粘りが強くなり、鳥が排泄しても容易には離れず、肛門から糸を引きながら飛んでいるうちにしっかりと樹皮に付着する。そして吸盤状の根を出し、その内側からくさび状の寄生根を伸ばして寄生生活に入る。寄生された種を運ぶ鳥はヒレンジャクなどのレンジャク類が多いといわれる。
漢方では桑寄生(そうきせい)とよばれ、腰痛や婦人病、高血圧などに用いられる。イノシットなどを含み、牛馬の飼料となるほか、かつての飢饉のときは食用にされたという。
橙黄色の実をつけるものをアカミヤドリギという。ヨーロッパでクリスマスの飾りに使うセイヨウヤドリギは白い果実をつける。また、落葉性で黄色い実を穂状につけるものをホザキヤドリギという。
花期:2-4月
分布:北・本・四・九
撮影:2004.12.12 岩手県岩泉町
ヤドリギの雌花
雌花は雄花より小さく、淡緑色の短い花柱がある。 2003.4.19 青森県福地村

ヤドリギの果実
果実は半透明な淡黄色。 2004.12.12 岩手県岩泉町

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