ヤマノイモ

ヤマノイモ(ヤマノイモ科)[山の芋]

名はサトイモに対して山地に生えることからついたもの。別名ヤマイモジネンジョ(自然薯、自然生)という。
山野に生えるつる性の多年草で雌雄異株。地中に食用となる灰黄褐色で円柱形、断面は白色の多肉根(イモ)が垂直に伸びる。イモは多数のひげ根のうちの1本が肥厚したもので、翌年にはそのイモはなくなり、別のひげ根が肥厚して前年よりも大きなイモとなり、長いものは2mになる。中国原産の根菜であるナガイモも同じ性質を持つ。オニドコロのイモは根茎が肥厚したもので、ひげ根が肥厚するヤマノイモとはまったく別物。
茎は無毛で長く伸び、他のものに左巻きに絡む。
葉は対生、まれに互生し、両面とも無毛、長さ5-10cm、基部の幅3-5cmの3角状披針形で全縁、基部は心形で先は長くとがる。葉柄は長さ4-6cmで基部は肥厚する。葉腋に直径約1cmのむかごがつき、落ちて翌年に発芽する。
葉腋に雄花序が1-5個穂状に直立し、雌花序は穂状に下垂する。花被片は白色で6個、平開しない。雄花は無柄で多数。花被片は厚く、長さ約2mmの楕円形。雄しべは6個。雌花はまばらで花被片は長さ約1mmの広楕円形。子房は下位、3室で各室に2個の胚珠がある。花柱は3個でそれぞれがさらに2裂する。退化した6個の雄しべがある。
果実は円形の翼がある横広楕円形で長さ約1.5cm、幅2.5-3cm。種子は直径約5mmの扁円形で全周に薄膜状の翼がある。
地中にある多肉根を晩秋に専用の道具を使って掘り採り、食用にする。自然薯掘りを無上の楽しみにしている人もいて、その成果品は産直などで高額な値段で売られている。むかごはご飯に炊き込んだり、ゆでるか炒って塩を振って食べる。薬用としては、落葉後に掘った多肉根を薄く切って日干ししたものを山薬(さんやく)といい、滋養強壮、去痰、老化予防などに用いる。やけどやしもやけにはすりおろしたものを患部につけるが、人によってはかゆみを訴える人もいる。健胃整腸にはとろろ汁にする。
「山の芋が鰻になる」ということわざがあり、物事が思わぬ変化をすることのたとえ。
オニドコロやヒメドコロの葉は互生するので、花のない時期でも区別できる。またむかごもできない。
花期:7-8月
分布:本・四・九・沖
撮影:2005.8.27 秋田県大館市
ヤマノイモの雄花序
雄花序。 2017.8.21 神奈川県三浦市

ヤマノイモの雌花序
雌花序。 2017.8.28 横浜市戸塚区

ヤマノイモの果実
果実の翼はオニドコロより幅広。 2016.10.11 神奈川県三浦市

ヤマノイモのむかごと葉
むかご。落ちて翌年発芽する。 2017.8.28 横浜市戸塚区

オニドコロに戻る


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。