ヤマユリ

ヤマユリ(ユリ科)[山百合]

「ゆり」の名は、細長い茎の先に大きな花が咲くと、わずかな風でもゆり動くことからついたという。「百合」は、ゆり根(鱗茎)の鱗片が多数重なり合っている様子からついたもの。
里山の林縁などに生えるほか、広く庭で栽培されている日本特産の多年草で、茎は無毛で円く高さ1-1.5mになる。鱗茎は直径6-10cmの扁球形で黄白色。
葉は互生し、長さ10-15cm、幅1.5-3.5cmの披針形~広披針形で短い柄がある。
茎の先に直径15-25cmの大型で強い香りのある花を1-20個横向きにつける。花被片は6個、白色で赤褐色の斑点があり、長さ10-18cm、中脈に沿って黄色い縦筋があり、内片は外片より幅広い卵状披針形、先は反り返り基部の内面に乳頭状の突起がある。雄しべは6個で葯は線形、花粉は赤褐色で粘りがあり、皮膚や服につくと水で洗ってもなかなか取れない。雌しべは1個で雄しべより長い。
果実は長さ5-8cmの円筒形の蒴果で上向きにつく。

分布は東北地方~近畿地方までで、それ以外(北海道、北陸、中国、四国、九州)で見られるものは全て植栽由来のものが野生化したもの。神奈川県の県花であるが、神奈川県に特に多いという印象はない。なお、神奈川県には早咲きの系統があるようで、6月中旬には開花しているものがある。
花に遠くからでもわかる強い芳香があり、また美しくよく目立つので、野草泥棒に掘り取られるほか、イノシシによる被害も無視できず、最近はめっきり少なくなってしまった。しかし高速道路の法面や鉄道線路沿いでは、人が入り込めないためかよく残っている。
鱗茎は食用になり、オニユリコオニユリとともに「ゆり根」の名で売られている。鱗茎を乾燥させたものが生薬の百合(ひゃくごう)で咳止めや解熱などに用いられる。
通常の状態では花被片に赤い小斑点がまばらに広がるが、遺伝子の欠損が起こるとその程度によってさまざまな色合いの花が現れる。花に斑点がなく純白に近いものは白黄(はくおう) 、花の斑点が乳白色のものは白星(しろぼし)、花被片の中央先端が紅色のものは口紅(くちべに)、花被片の中央の筋や斑点が紅色のものは紅筋(べにすじ)とよばれているらしい。
サクユリは、全体に丈も花も大型で、花被片に黄色の筋があり、斑点が淡く目立たないものをいい、伊豆七島に分布する。
花期:6-8月
分布:本(近畿以北)
撮影:2006.7.31 福島県南会津町
ヤマユリ-2
2006.7.31 福島県南会津町

ヤマユリ-3
法面から茎を出し、花の重みで下向きに咲くほうが風情がある。 2017.7.24 横浜市戸塚区

ヤマユリ-4
花被片の中央に赤い斑点が濃密に集中しているもの。濃淡は変化がある。
2016.6.17 神奈川県横須賀市


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