ユリワサビ

ユリワサビ(アブラナ科)[百合山葵]

名は、根元に前年の葉柄基部がユリの鱗茎のように残って根茎の先を包んでいることからついたもの。ただ、牧野新日本植物図鑑で記載しているこのような形質は、別種であるオオユリワサビ(オクノユリワサビ)にこそ当てはまるものであり、ユリワサビには見られない。つまり、ユリワサビという名はオオユリワサビに由来するといえる。本来ならばオオユリワサビをユリワサビと名付け、ユリワサビには改めて別の名を用意するべきであったのだろう。
なお、東北地方北部(青森県、秋田県。岩手県も?)にあるものは全てオオユリワサビ(オクノユリワサビ)であり、ユリワサビは分布しない。

山地の谷沿いの斜面などに生える全体無毛の多年草。もむとワサビの香りがある。茎は地をはって斜上し、高さ20-30cmになるがのちに倒れる。根茎は太くならず短い。
根生葉は基部が広がった長い柄があり、長さ幅とも2-5cmの卵円形または腎円形で基部は心形、縁に波状の鋸歯がある。茎葉は長卵形で先端に微突起があり、少数が互生し小さい。ワサビのような葉脈のしわは目立たない。
茎頂に総状花序を出し、直径1cmほどの白色の十字形花をまばらにつける。各小花柄の基部に葉の変化した苞があり、やや深く切れ込む。萼片は楕円形で4個。花弁は長さ6-7mmの広いへら形で4個。雄しべは6個。雌しべは1個で花柱は長くて残存する。
果実は長さ1-1.5cmの円柱形で数珠状にくびれた長角果で、開出するか下を向く。裂開しても果皮は巻かない。種子は1列に並ぶ。
ワサビとの大きな違いは、ワサビは花茎が直立するが、本種は伏してから立ち上がる。ワサビは流水中で育つが、ユリワサビは流れから少し離れたところに生える。
花期:3-5月
分布:本・四・九
撮影:2000.4.30 宮城県花山村
ユリワサビ-2
葉の縁に波状のゆるい鋸歯がある。 2018.3.6 神奈川県大磯町

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